フッ素樹脂の化学
フッ素原子は、 全原子中で最大の電気陰性度を持ち、ファンデルワールス半径(van der Waals radius)が水素の次に小さい為に、炭素と結合した場合、 C-F結合はC-H結合の次に短く、C-F結合はエネルギー的に強い。
・ポリテトラフルオロエチレン(四フッ素化樹脂、略号:PTFE)
−(CF2-CF2)n−
・四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(略号:FEP)
−(CF2-CF2)m(CF2-CF)n− | CF3
・ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(略号:PFA)
−(CF2-CF2)m(CF2-CF)n− | ORf
・エチレン・四フッ化エチレン共重合体(略号:ETFE)
−(CF2-CF2-)m−(CH2-CH2-)n−
・ポリフッ化ビニリデン(略号:PVDF)
−(CF2-CH2)n−
・ポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ素化樹脂、略号:PCTFE, CTFE)
−(CF2-CFCl)n−
・エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(略号:ECTFE)
−(CF2-CFCl)m−(CH2-CH2)n
○パーフロロ樹脂(PTFE、PFA、FEP)
パーフロロ樹脂は炭素原子の周囲を全てフッ素原子若しくは少量の酸素原子で取り囲まれています。C-F結合の強さから来る特徴が顕著で、耐熱性、耐薬品(耐食・耐蝕)性、電気絶縁性等にその特性が表れます。
他にも、非粘着性(自己潤滑性、離型性)においても他に例を見ない特長があります。弱点として、パーフロロ樹脂は他の樹脂と比較したとき、機械的特性に弱さがみられます。
○部分フッ素化タイプ(ETFE、ECTFE、PCTFE、PVDF、PVF)
このタイプの樹脂は炭素原子の周囲を、フッ素原子と水素原子若しくは塩素原子で取り囲まれた構造をなしています。パーフロロ樹脂に比べると、耐熱性、耐薬品(耐食・耐蝕)性、電気絶縁性などが劣りますが、機械的特性が高い傾向があります。